世界初!デンソーウェーブ、東京都交通局と共同でQRコードを用いたホームドアの開閉制御技術を開発

2017/11/13(月)
~ 編成車両数やドア数の違いにも対応可能。安価で構築できるシステムを実現 ~
株式会社デンソーウェーブ(本社:愛知県知多郡阿久比町、 代表取締役社長:中川弘靖)と東京都交通局は、 編成車両数やドアの数が異なる車種でも列車車両ドアに貼りつけたQRコードを読み取ることでホームドアの開閉制御が可能なシステムを共同で開発しました。 また、 本システムを活用したホームドア制御の有効性を検証する実証実験を行った結果、 貼付したQRコードを読み取ることでホーム進入から進出までの車両の動きを判定でき、 ホームドア制御との連携が正しく行われることが確認され、 その有効性が実証されました。 なお、 QRコードをホームドア制御に用いるシステム は、 世界で初めての実装となります。

今回開発したホームドア開閉制御技術は、 車両ドアのガラス部分に貼りつけたQRコードと、 QRコード自体の横方向の動きを駅ホーム上部に設置したスキャナーで読み取り、 車両ドアの開閉を検知するものです。 QRコードにはそれぞれの車種に合った位置のホームドアを開閉させるためのドア数や編成車両数の情報を格納しています。 採用したQRコードは最大50%が欠損しても読み取れる新開発のQRコードで、 ホームの照明や屋外などの照度のばらつきによる読み取りの確実性も向上させました。 さらに複数カ所のドアにQRコードを貼りつけて検知することで、 万が一QRコードの剥がれや個別のドアの異常などが発生した場合でも信頼性を確保できるようにしています。

本実証実験の詳細は、 2017年11月29日(水)から12月1日(金)まで開催される「第回鉄道技術展2017」(会場:幕張メッセ)のデンソーウェーブブースで紹介します。
 

QRコードを用いたホームドアの開閉制御技術

QRコードを用いたホームドアの開閉制御技術

背景>
近年、 ホーム転落事故防止の観点からホームドア設置ニーズが高まっていますが、 複数の鉄道事業者による相互直通運転が行われているホームでは、 乗入れ車両のドア数やドア位置に違いがあるため、 各社の車両形式や編成の種類に対応する必要性と、 ホームドア設置による輸送能力を低下させないドア開閉の制御方式が求められてきました。 この課題に対し、 デンソーウェーブと東京都交通局は各社車両の大規模改修を行わずにホームドアと車両ドアを連携させるシステムの実現を目指してQRコードの特性を生かしたホームドア開閉制御システムを開発。 実証実験によりQRコードによる制御の効果検証を行いました。

実証実験の概要と結果詳細

  • 名称 : QRコードを用いたホームドアの開閉制御システム実証実験
  • 期間 : 2017年8月4日、 5日、 21日、 26日深夜
  • 場所 : 都営地下鉄浅草線 大門駅
  • 目的 : QRコード読み取りによるホームドア開閉制御技術の可用性の確認と検証
  • 詳細 : (1)編成車両数・ドア数情報をQRコードに格納し、 1編成あたり3所のドアに貼りつける
  •      (2)QRコードの横方向の変位データから車両の動きを判定するアルゴリズムを設定する
  • 結果 : 3所の読取装置を多数決により判定し、 2所以上が正しく判定できた判定率は100%。 QRコードがスキャンエリアに入れば確実に読み取る事ができ、 進入から進出までの車両の動きを判定できると判明。 QRコードを用いたホームドアの開閉制御技術の実用は可能であると判断できた。
  • 今後の展望 : 今回の実証実験をもとに車両ドアの状態を検知する読み取り装置を1つのパッケージとして製作する予定。 今後は実際に浅草線でホームドアを仮設し、 実車を用いた実証試験を実施して浅草線用として最適な設定値を検証する計画である。

 

QRコードを用いたホームドアの開閉制御技術:システム構成

QRコードを用いたホームドアの開閉制御技術:システム構成

 

以上

※QRコードは株式会社デンソーウェーブの登録商標です。

(注)ニュースリリースに記載されている内容は報道発表日時点の情報です。 その後、 予告なしに変更する可能性がありますので、 あらかじめご了承ください。

 

(PR Times配信)